北穂、涸沢岳、奥穂、前穂縦走の記録(1)

7月27日から28日にかけて北穂高岳、涸沢岳、奥穂高岳、前穂高岳の3000m超の4山を縦走した記録です。

    北穂高岳山頂(3106m 左手に槍ヶ岳が見えるはずだがガスの中、正面奥は大天井岳等)
画像


    涸沢岳山頂(3110m ガスの中、人気なし)
画像


    奥穂高岳山頂(3190m 眺望効かず、10人以上の登山者がいた)
画像


    前穂高岳山頂(3090m ガスが取れた。奥穂やジャンダルムも見える)
画像


    GPSログ
画像


人混みに恐れをなして、なかなか足が向かなかった夏の上高地からの穂高連峰(奥穂高岳だけは2010年9月に新穂高から登山者の少ない白出沢を使って日帰りしています)、、、あまり先送りもできない年齢に達し、ようやく行く気になりました。
そして、どうせ行くなら涸沢カールを取り囲む3000m超の北穂高岳、涸沢岳、奥穂高岳、前穂高岳を結ぶ岩稜縦走をと考え、ガイドブックやネットで縦走路の様子を色々調べてみると、北穂高岳から涸沢岳の間は滝谷側の絶壁通過等危険なにおいがプンプンして、反射神経の鈍った爺さんがはたして通り抜けられるか心配です。
しかし心配ばかりしていても始まりませんので、とりあえず行ってみて自分の目で確かめ、少しでも不安を感ずるようであれば来た道を戻ることにして計画を進めることにします。
このコースはガイドブック(ヤマケイ アルペンガイド 北ア 槍・穂高連峰)によれば2泊3日(コースグレード:上級、技術度:5、体力度:3)を勧めていますが、いつものようにカシミール上でシミュレーションしてみると、問題区間をガイドブックのコースタイムより多めにとったとしても、早めに出発しさえすれば1泊2日で十分行けそうです。
天気予報、山小屋の混雑具合などを勘案して、最終的に7月27日から28日にかけ決行することにし、北穂高小屋を予約しました。

以下に行程の概要を示しますが、時間的には1泊2日で特に問題なくこなすことができました。最後まで気になっていた北穂高岳から涸沢岳までの間の岩稜地帯も、高度感こそあるもののホールドやスタンスがしっかりしていたせいかさほど恐怖感を感じることはありませんでした。しかし絶対にミスは許されないという強い緊張感は強いられ放しでした。
前穂高岳以外の山頂では残念ながらガスに包まれ眺望は効きませんでしたが、アルプスの名にふさわしい3000m級の岩稜歩きを十二分に堪能することができました。
なお、涸沢から北穂への登りが結構きつく感じられましたが、紀美子平から岳沢までの重太郎新道もすごい急坂で、下るだけでも大変でした。ここを登りに使う登山者には敬意を表します。

[行程概要]
7月27日(金)
沢渡大橋4:40-(シャトルバス)-5:10上高地バスターミナル
上高地バスターミナル5:16-7:22横尾7:40-10:03涸沢ヒュッテ10:40-13:51北穂高岳山頂14:00-14:03北穂高小屋(泊)
<沿面距離:19.3km、累積高度:+1784m/-192m、行動時間(休憩含む):8:47>
7月28日(土)
北穂高小屋4:45-6:06涸沢のコル6:09-6:55涸沢岳山頂6:58-7:09穂高岳山荘7:18-7:53奥穂高岳山頂8:20-9:25紀美子平9:36-10:02前穂高岳10:20-10:45紀美子平11:08-12:55岳沢ヒュッテ13:18-14:57上高地バスターミナル
上高地バスターミナル15:30-(シャトルバス)-16:00沢渡大橋
<沿面距離:11.7km、累積高度:+764m/-2319m、行動時間(休憩含む):10:12>


以下日を追っての記録です。

7月26日(木)

いつものように前日出発です。平湯アカンダナ駐車場は車中泊が認められていないようなので沢渡側から上高地へ入ることとして、上高地-沢渡間シャトルバスの始発駅になる沢渡大橋へ16時に到着、駐車場へ車を入れ、3日分の代金1500円を支払ってから、近くのさわんど温泉梓湖畔の湯(ここの駐車場へ停めるかJAF会員券を示すと200円割引の500円で入浴可)でのんびり湯に浸かる。露天風呂で、ご夫婦で槍ヶ岳から下山したという同年輩の方が嬉しそうに山の様子を話してくれた。
道中のスーパーで買ってきたパック寿司を食べ、ビールを飲んで早めに寝たが、何故かなかなか寝つかれなかった。

沢渡の駐車場は車中泊OKで、掃除が行き届いた水洗トイレがあり、飲用可能な沢水も引かれていてお薦めだ。

    沢渡大橋バス停と駐車場
画像


    沢渡大橋の駐車場(他にも沢山ある)
画像



7月27日(金)

3:30 寝不足感を持ったまま起床、菓子パンを1個無理やり食べてから出発の準備をする。

4:40 上高地バスターミナルまでの往復チケット(2000円)を購入し、シャトルバスに乗り込む。平日のためなのか時間が早いせいなのか不明だが乗客は10人ほどと思ったより少なめ。沢渡地区の他の駐車場で数人づつ登山客を拾いながら釜トンネル入口に到着、丁度ゲートが開けられるところでタクシーが10台ほど縦列で待っている。上高地バスターミナルには5:05頃到着、既に登山者やハイカーが出発の準備をしている。

5:16 1500m 登山届を投函してから上高地バスターミナル出発 快晴、まだ閑散とした河童橋の前を通り、小梨平のテント村を抜け樹林帯の中の遊歩道を進む。遊歩道に覆いかぶさった樹上に母猿、遊歩道の端に子猿が座っている。用心しながら横を通り抜けたが逃げ出しもしない。40分ほどで明神通過、左手に明神前岳が迫る。少し進むと右に徳本峠への道を分ける。さらに40分で徳沢通過、新村橋越しに奥又白方面を望みながら更に進む。まだ涼しいのでピッチが上がる。

7:22/7:40 1620m 横尾 2時間と少しで10km弱を歩けた。いいペースだ。腰を下ろし、バナナをほおばる。
ここから横尾大橋を渡っていよいよ登山道に入る。左手に屏風岩を見ながら横尾谷を進む。登攀中のクライマーがいないか注視しながら進むが今日は誰もいないようだ。朝日を背中から浴びるようになり暑くなってきた。

8:34 1880m 本谷橋 タオルを沢水に浸し首に巻く。屏風の頭をグルッと巻き、涸沢右岸を登って行く。やがて涸沢カールの上部が正面に見えてくる。雪渓が現れ少し進むと涸沢ヒュッテの石垣と赤い屋根を望める。

10:03/10:40 2295m涸沢ヒュッテ 真っ青な空のもと正面に涸沢カールの大パノラマが広がり、登山者が思い思いに眺め入っている。ここでリュックを下ろして大休止、菓子パンはいくつか持ってきたがあまり食べる気がしない。ゼリー飲料でごまかす。
長野県警のヘリコプターが涸沢上空を何回か旋回していたが、その内に涸沢ヒュッテ近くのヘリポートに着陸し、山岳救助隊の隊員らしい人が下りてきた。夏山本番に備えての準備のため来たようだ。
冷たい水がホースから流れ出していたので、プラティパスの水を入れ替えて出発。涸沢テント村の中を進む。テントはまだそれほど多くはない。
雪渓を横切り、涸沢小屋の横から北穂への登山道に入る。ここから一気に急な登りとなる。最初の内は右手に雪渓を見ながら登って行くが標高2600m辺りから左へ進み、北穂南稜へ取り付く。長い鎖場と梯子を登りきると左手の下に涸沢ヒュッテが見える。白出のコルへ続くザイテングラードも下の方に見える。何時のまにか奥穂や白出のコル辺りにガスがかかり始めている。前穂と前穂北尾根はまだきれいに見えている。
急なキツイ登りがどこまでも続く。2990m辺りでようやく北穂高岳山頂部を認識できた。山頂の右直下には北穂高小屋の建物も小さく見える。
テント場を過ぎ、奥穂/北穂/涸沢への登山路を分ける北穂分岐へ着く。明日進む予定の奥穂岳への登山路の様子を窺うが何とかなりそうな気がする。明朝もう少し先まで行って最終判断することにしよう。
雪渓を二つトラバースし、少し登ると北穂高岳山頂だ。

13:51/14;00 3106m 北穂高岳山頂 ようやく着いた。この登りはキツかった。山頂部はヘリポートを兼ねているようでほぼ平に均されている。飛騨側の谷(滝谷)から猛烈に雲が湧きあがっていて槍ヶ岳や笠ヶ岳などは全く見えない。三脚をセットし、雲の切れ間を待っている方に山頂標識の前で写真を撮って頂く。

14:03 3100m 北穂高小屋着 小屋は、よくぞこんな所に作ったと感心させられるほどの崖の上の狭い敷地に建てられている。小屋前の名物展望テラスにも登山者が陣取り、雲の切れ間を待っている。宿泊の手続きを済ませ代金8800円を支払う。明日の朝食は5時かららしいが、5時前には出発したいのでお弁当にしてもらう。
指定された場所へ荷物を置いてからカメラとつまみを持って展望テラスへ出てみる。売店でビールを買い、飲みながら景色を眺める。蝶ヶ岳、常念岳、大天井岳などは見えるが肝心の槍ヶ岳方面は濃い雲の中、隣に座った大分から来た日本山岳会会員だという方と山の話などしながら1時間以上粘ったが雲の切れる兆しは全くなし。諦めて部屋へ戻って少し仮眠する。夕食前にプラティパスに水を補充しておく。(売店へ入れ物を持って行き、入れて貰う。宿泊者は無料)
夕食は17時から、焼いた豚肉に野菜サラダと漬物、ご飯とみそ汁はおかわり自由、標高3000mの雲上の山小屋でこれだけ頂ければ有りがたい。しっかりおかわりも頂く。
寝床はほぼ一杯だったが布団は一人1枚の割り当てで助かった。これからのハイシーズンはもっと厳しくなるものと思う。

    早朝5時過ぎの上高地バスターミナル
画像


    河童橋はまだ閑散としている
画像


    横尾山荘もまだひっそり
画像


    横尾大橋と前穂高岳(左)と屏風の頭(右)
画像


    屏風岩
画像


    涸沢カールが見えてきた
画像


    涸沢ヒュッテ受付
画像


    涸沢ヒュッテからの北穂方面
画像


    涸沢ヒュッテからの奥穂、白出のコル方面
画像


    長野県警のヘリコプタが飛んで来た
画像


    涸沢テント村(まだ少ない)
画像


    涸沢小屋横の北穂登り口
画像


    長い鎖場
画像


    北穂南尾根からの涸沢カール(正面に前穂、右に吊尾根、左に前穂北尾根)
画像


    奥穂方面
画像


    ようやく北穂山頂が見えた(右肩に小屋が小さく見える)
画像


    北穂のテン場(雪渓の奥が山頂)
画像


    北穂山頂にて
画像


    奥穂もガスに隠れた
画像


    北穂高小屋正面
画像


    北穂高小屋展望テラス
画像


 以下続く

この記事へのコメント

2012年08月02日 19:31
素晴らしい青空ですね~^-^
良い時に行かれて、うらやまし~!!

北穂には、かなり昔に東陵から・・・
テラスで飲んだビール・・・最高!って
記憶しか・・・(笑)
たぶんそこまで喉カラカラ緊張やったのかな?
ファントム
2012年08月02日 21:04
みいさん
コメント有難うございます。涸沢辺りまでは真っ青な空だったのに、、北穂山頂では肝心の槍ヶ岳はお隠れになっていました。展望テラスで他の皆さんと一緒に待ったのですがお隠れのままでした。
でもビールは最高でした。

この記事へのトラックバック

  • プラダ 財布

    Excerpt: 北穂、涸沢岳、奥穂、前穂縦走の記録(1) キャンピングカーで行く山スキーと山歩き/ウェブリブログ Weblog: プラダ 財布 racked: 2013-07-10 02:26